こんにちは。武芸川まちづくり委員会の北です。
皆さんはコンフィチュールってご存知でしょうか?
聞き慣れない名前だと思いますが、今回は2021年秋に開催された第5回武芸川文化祭でその「コンフィチュール」を販売されたこともある「ごろごろ果樹園」代表の山村好美さんを取材してきました。
山村さんが「ごろごろ果樹園」を始められたきっかけや、主力商品の「コンフィチュール」についてたくさんお話を聞いてきました!
「ごろごろ果樹園」は、いつからどのようなきっかけで始められましたか?
長い間、学校の教員をやっていました。現役の時からわりと料理をすることが好きで、まあまあ味に自信があったので、周りの人たちに「退職したら喫茶店やりたい。」とか「お惣菜屋さんをやりたい。」とか「お弁当屋さんをやりたい。」と言ってきました。
その気持ちを持ちながら退職を迎え、息子から「これからの人生は自分のために使って」という言葉をもらい、その言葉が「何か新しいことに挑戦したい」という私の気持ちを後押ししてくれました。
たまたま学校を退職した後の職場でキウイフルーツをたくさんもらい、それを煮込んでジャムにして家族や職場の人たちに食べてもらったことがありました。
みなさんから「おいしい、おいしい。」と言っていただきとても嬉しかったです。
その時「こんなふうに、食べてくれた人たちが笑顔でおいしいと言ってくれる仕事をしたい。これを私のこれからの仕事にしよう!」と心に火がついてしまったのです。
なるほど。
もともとお料理が好きで退職後に何かやりたいという夢が膨らんでいたところに、そのようなきっかけや息子さんからの後押しの言葉があって、今のお仕事につながったんですね!
では次に「コンフィチュール」というものについて教えて下さい。
コンフィチュールとは?
コンフィチュールとジャムの違いを質問される方がよくみえます。
私は次のように答えます。
「コンフィチュールはフランス語、ジャムは英語です。定義はよくわかりませんが、コンフィチュールはジャムより少しトロリとしています。パンに塗るだけでなく、ヨーグルトやチーズケーキにかけてもよし、紅茶や炭酸水、牛乳に入れてもよし、生クリームに混ぜてフルーツサンドにしてもよし」と。
コンフィチュールはこのように用途が多いのが良いところですね。
好美さんのお勧めは、お風呂上りに飲む炭酸割。コップに大さじ1杯ほどのゆずコンフィチュールまたはグレープフルーツコンフィチュールを入れ、氷を入れ、炭酸水を注ぐ。冬でもイケますよ、とのこと。いちごは牛乳に混ぜてつぶしていちごミルクに(*^^*)
コンフィチュールの種類は?
種類は8種類です。
いちご、キウイ、ゆず、オレンジ、パイナップル、オレンジとパイナップルのミックス、グレープフルーツ、ぶどうです。
できれば関市産の果物を使って商品化していきたいと考えています。
それは社会科教員として地域の農業に関心を持ち農家の方々のご苦労やご努力を見てきて、関市には素晴らしい農作物や特産品がたくさんあることを知ったからです。
ごろごろ果樹園では現時点ではほらどキウイ、かみのほゆず、下有知のやまへい農場さんのいちごを使っています。
コンフィチュールを通して多くの人に関市産の果物の素晴らしさを知っていただきたいと思います。
季節の果物のコンフィチュール1つとお勧めのコンフィチュール2つの、合わせて3つをセットにした「ごろごろ果樹園ギフト(2,980円)」もあります。
季節の果物のコンフィチュールとしては、いちご、キウイ、ゆず、ぶどうを提供しています。他の果物に関しては特に季節にこだわらず、ほぼ1年間提供しています。
コンフィチュールが商品になるまでの作業やコツについて教えてください。
材料のいちごは関市下有知の“やまへい農場”さんから、ほらどキウイは“JA”さんから、かみのほゆずは“かみのほゆず株式会社”さんから購入しています。
その他の果物は海外のものを購入しています。海外のものには防腐剤が使用してあるものもありますので、時間をかけて丁寧に取り除く作業をしています。
果物によって煮込む前の作業は異なります。
皮のあるキウイやぶどうやパイナップルは皮を剥いたり、オレンジやグレープフルーツやゆずなど皮を使うものは農薬を丁寧に洗い落とし、さらに苦みのある’わた’部分を取り除いたりしなければなりません。
その’わた’を取るためにピーラーを改造したそうです。「必要は発明の母(発明は必要があってこそ生まれるということ)」と笑ってみえました。
それらの作業が終わって、カットしたものをいったん冷凍します。冷凍することにより組織が壊れ煮込むときに砂糖が染みやすくなるそうです。
煮込む時のコツは色。火を止めるタイミングがとても重要だそうです。煮すぎると色が濃くなってしまうので、自分で作られた色見本を見ていつも確認しているそうです。
これは企業秘密だから詳しく言えないんだけど、、、と言いつつ教えてくださったのは、ジューサーを使うところだそうです。普通ジャムなど作る時にジューサーは使わないですね。なるほど。
ビンづめ作業には大変手間がかかります。ビンとふたを洗剤(地球にやさしい「やしのみ洗剤」)で洗い、熱湯煮沸を10分間します。
コンフィチュールを詰めた後は、軽くふたをして蒸気で15分蒸して脱気します。
その後、水に入れて冷やし、瓶をきれいに拭き、ラベルを貼り、パラフィン袋に入れてラッピングします。
先ほども言いましたが、コンフィチュールは用途が多いのです。そのように製造するには何度も研究してきた技術、コツがあります。
これは企業秘密なので申し訳ありませんがお話することはできません。
ただ言えることは、果肉は果肉のまま、果汁は果汁のままを大切にした製造方法があるということです。
ですから、その果物らしい、形、色、味を楽しんでいただけると思っています。
コンフィチュール以外の商品はありますか?
ベイクドチーズケーキがあります。もともと私が焼くケーキの中でチーズケーキだけは味や食感に自信があったので家族からの勧めもあり商品化しました。
最初はマルシェで販売するのが目的だったので、歩きながら食べられるように焼いた後スティック状に切り、持ち手にパラフィン紙を巻いた形状のものを作りました。
販売してみると、一度に4本とか5本とか買ってくださる人がいたので、スティック4本と同量のホール型のチーズケーキを焼くようになり、出店する時には予約も取るようになりました。
そのチーズケーキには「関牛乳」さんの牛乳を使用しています。
関牛乳の社長さんがチーズケーキに関牛乳を使うことを快諾してくださり、さらにのぼり旗までくださいました。本当に感謝しています。
ごろごろ果樹園と関牛乳さんののぼり旗を立てて販売していると「関牛乳ください!」と買いにみえる方がいらっしゃいます。
また「他の牛乳は飲めないけれど、関牛乳は飲めるの」と話していかれる方もあり、関牛乳さんの人気はすごいなと感じつつ、その恩恵を受けながらチーズケーキを販売しています。
販売方法や販売場所について教えてください。
今まではマルシェでの販売が中心でした。しかしコロナ禍でマルシェがどんどん中止になり、販路を委託販売に切り替えつつあります。
ただ、マルシェはお客様と対面で色々お話をしながら販売するところに楽しさがあるので今後も続けていきたいです。
現在、関市武儀町の「そばのカフェおくど」さんに商品を置かせていただいています。
やまへい農場さんの無人販売機にもコンフィチュールを置かせていただいています。
2月11日からは「せきてらす」での販売も始まりました。4月には「本町BASE」にイベント出店することが決まっています。
また郡上市のひるがのサービスエリアでも商品を置かせていただけることになりました。
どんどん販路が拡大している感じですね。1年後には関市内のあちこちやもっと遠くまで広がっているかもしれませんね\(^o^)/
宣伝方法について
この年になって初めてインスタグラムを始めました。と言ってもなかなか難しいので息子に手伝ってもらって情報を発信しています。こちらでも関市の方々に知っていただきたいです。
インスタのプロフィール欄に通販サイトのURLを掲載しているのでそちらでも商品をご購入いただけます。
この投稿をInstagramで見る
どのように働いていますか?
教員の時と同じように週5日勤務にしようとしていますが、なかなかそうはいかないです。
1日の勤務時間も8時間で終われたら早い方です。
個人事業主ですので、仕入れ、製造、販売、配達、商談の一部、経理事務等のほとんどを一人でやっています。
情報発信と商談などは息子がボランティアでやってくれています。
仕事以外で、趣味などやっていることはありますか?
・己書(おのれしょ)
・ドラゴンスの応援
・ペットと遊ぶ
商品の情報を見るには?
ごろごろ果樹園さんの公式インスタグラムページから通販サイトに入っていただくと良いです。
インターネットが難しい方は、お電話(050-3198-5656)でも注文を受け付けています。やまへい農場さんやマルシェの出店時などにお越しいただくとお話も出来ますし嬉しいですね。
委託販売場所の武儀町の「おくど」や「せきてらす」でも購入できますのでどうぞ宜しくお願いします。
まち肌屋をご覧になっているお客様へ一言!
新しいことを始めるということは、とても大きなエネルギーが必要です。
私も途中で「もうやめようかな。」と思う時もありました。でも、自分が行動を起こせば、誰かが手を差し伸べてくれます。
教員時代とはまた違う人たちにいっぱい出会い、たくさんのつながりもできつつあります。
毎日が大変だけれど楽しいです。
新しいことを始めるのって楽しいですよ!
取材を終えて(筆者あとがき)
商品を紹介する取材は初めてでしたが、とても楽しかったです。私は「人」にとても魅力を感じてしまうのですが、山村好美さんも本当に素敵な女性でした。
心に描いていた夢を実現されてさらに次の目標に向かってどんどん進んでいて、コンフィチュールと同じくらいキラキラ輝いているなあと感じました。
取材の時にふるまっていただいた紅茶の美味しさが忘れられなかったので、自宅や職場でもやってみました。
またいちごのコンフィチュールはケーキに使ったり大きないちごは飾りにもなりました。皆さんも機会があればお試しくださいね!
品質保持のため、ふたを固く閉めていますが、そのためにふたが開けられないとお客さんからよく言われるそうです。そこで簡単な方法をご紹介します。
熱湯を1cmほどの深さになるように耐熱容器に注ぎ、コンフィチュールのふた部分をお湯に漬けます。10秒~15秒経ったら取り出し、布巾などでふたをつかんで回します。そうすると簡単にふたが開きます。ふたにくっついて固まった糖分が溶けるためだそうです。実際私もその方法で開けることができました(*^^*)
Information
店名:ごろごろ果樹園
インスタグラム:https://www.instagram.com/5656kajyuen/
通販サイト:https://5656kajyuenn.base.shop/
住所:岐阜県関市武芸川町小知野820番地1
電話番号:050-3198-5656
営業時間:9時から17時
定休日:なし