若手農業者が集う「むげがわ農産」へ!
いらっしゃいませ!地方創生ライターえさゆうです♪
関市武芸川町の特定農業法人「有限会社むげがわ農産」を取材しました。むげがわ農産は、2000年に設立された武芸川町で農業をする会社です。

むげがわ農産といえば、武芸川オータムフェスや関にし秋の祭典などで「超行列」ができていたことで有名です!



むげがわ農産では、農業は3K(「きつい」「汚い」「危険」)というイメージを払拭。就業時間は8時から17時、土日休み、という「農業のサラリーマン」。
平均年齢は40代という、全国屈指の若い「農業法人」です。
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むげがわ農産の取材は2回に分けて行いました。
3月10日は、取締役の辻さま、相談役の川口さまに、6月20日は代表取締役の矢田さまに対応いただきました。
農業者には、たいへん忙しい季節かと思いますが、ご対応いただき、誠にありがとうございました!
むげがわ農産の歴史。2025年現在、武芸川地域の作付可能面積の約80%を経営

むげがわ農産の現社長(2025年)は30代の矢田 規久(やだ のりひさ)さん。矢田さんは5代目の社長です。
むげがわ農産の初代社長は規久さんのおじいさまが務められたそうです。

むげがわ農産は、2000年に農業機械の共同利用組織として事業を開始。現在は、武芸川町内作付可能面積の約80%に当たる約120haを管理。
2年3作体系のブロックローテーションにより米、小麦および大豆等を生産しています。
※1ヘクタールとは、100m x 100m の面積のこと。
矢田社長のおじいさまが代表者を務めていたころの栽培面積は約40ha。
武芸川町では、平成20年ごろから離農が特に増加(過去には、武芸川町には約800軒の農家があったそうです)。それに伴い、むげがわ農産が経営する面積は60haに増加(当時のメンバーは5人)。
その後、年々面積は拡大し、2025年には120ha以上を経営しています。

関市武芸川地域の作付可能面積は150ha。水稲80ha、大豆65ha(麦35ha)、個人畑地化5ha。このうち120haをむげがわ農産が経営しています。
<120haの経営内訳>
作付体系2年3作ローテーション。7地区で各地区を米と大豆に半分に分割作付。水稲48ha、大豆60ha(麦35ha)、飼料米他10ha、草刈管理田2ha、作業受託2ha。
サラリーマン感覚で農業を!「農業=3K」のイメージを払拭

むげがわ農産相談役の川口さんは、2000年に入社。2019年まで4代目社長を務めました。
川口さんは、JAに30年勤務し、55歳で早期退職。その後、むげがわ農産へ入社しました。
川口さんは、当時のことをこう語りました。
「むげがわ農産の転換期は、2000年ごろであった」と。

武芸川地域では、2000年ごろから離農が特に増加し、むげがわ農産の経営面積も増加。当時、60haをメンバー5人で管理していたため、水田管理が困難になり、社員を募集することになりました。
その際は、パートによる働き手確保であったため「高齢問題」が浮上。トイレも無いコンテナハウスの事務所を使用し、農繁期は休みが無く不規則な労働条件でした。


若者を3Kのイメージがある農業に呼び込むには「サラリーマン感覚で農業が出来る環境に」と、機械・設備・労働環境を改善。
「農業はお年寄りがやるもの」という昔のイメージを変えていくことへのチャレンジが始まりました。

辻取締役は2025年で10年目。以前働いていた農業法人では、野菜づくりを行なっていましたが、休みもなく大変な勤務体系だったそうです。
そんな中、むげがわ農産の求人が目に留まり「農業でサラリーマンが成り立つのか?」と不安のまま入社されたそうですが、不安は杞憂に終わりました。
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昼休みには1時間の休憩。また、週休2日が確保され、毎日17時に帰宅できるとのこと。
これも「働く人の環境を大事にしている」というむげがわ農産の経営ポリシーが表れています。
・正社員を雇用するためには、農閑期にも仕事がある必要がある。年間の仕事を確保する。
・建物の建設及び高性能機械(全てキャビン仕様)の導入。
・週休2日制の導入(年間就労日数230日)、1週40時間(残業なし 17時に帰れる体制づくり。
・法定福利 社会保険の加入(平成20年)・退職金制度の導入 中退共・自社積立(平成24年)。
・安心出来る作業 農業機械のナンバー登録任意保険の加入、農業賠責保険の加入。
・65歳定年(役員、社員)65歳〜70歳再雇用 株主、役員への登用あり。
・社員の資質向上 免許取得・各種研修・礼儀、マナー、コンプライアンス教育。
・年俸制の導入 評価シートの導入(昇給の際にプラス評価) 年功序列の廃止。
・福利厚生 健康診断・作業服支給・毎年日帰旅行・宿泊旅行の実施・冬期休暇など。
むげがわ農産の挑戦は続く!

むげがわ農産が生産した作物の売り先は、半分が業者へ。半分が地元へ。
「むげがわ農産の農産物は、どこに行ったら買えるの?」ということに関しては、有限会社むげがわ農産までお問い合わせください!
今後の展望としては「米の保管倉庫」「地元消費者に毎月配分できる体制」を整えたいとのこと。
むげがわ農産の挑戦は続きます!
Information
企業名:有限会社むげがわ農産
取材日時:2025年3月10日(月)11:00〜12:00、2025年6月20日(金)9:30〜11:00
取材場所:有限会社むげがわ農産(岐阜県関市武芸川町平760-1)
電話番号:0575-46-3660
取材対応:矢田代表取締役、辻取締役、川口相談役
この記事に関するお問い合わせ:0575-46-3611(武芸川まちづくり委員会)
ライター:えさゆう